京都へ旅行しました。
今回は京大北門前にある喫茶「進々堂」を紹介します。
森見登美彦の『夜は短し歩けよ乙女』のクライマックスで、先輩と黒髪の乙女が初めて待ち合わせた喫茶「進々堂」です。
やがて私は喫茶「進々堂」までやって来ました。
緊張しながら喫茶店の硝子扉を押し開けると、別世界のように温かくて柔らかい空気が私を包みました。薄暗い店内には、黒光りする長テーブルを挟んで人々が語り合う声、匙で珈琲をまぜる音、本のぺージをめくる音が充ちています。
森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』角川文庫、2008年、 p319-320
時間がゆっくり過ぎて、食事だけでなく雰囲気を味わえるお店です。
京都大学
この日は吉田山を散策した後、京都大学へ向かいました。
今出川通りに面して京都大学の吉田キャンパスがあります。
吉田キャンパスの北部構内は正門から銀杏並木が続きます。
とても広いキャンパスなので学生は自転車で移動していました。研究棟の他に附属農場やグラウンドがあります。
構内には木々が植えられ、季節の花が咲いています。
この日は桜が満開でした。
喫茶「進々堂」
今出川通りに面してお店はあります。
京都大学北部構内の正門から百万遍交差点へ向かってすぐ。
創業は1930年(昭和5年)。外観は煉瓦造りの重厚な建物です。
看板には”Notre Pain Quotidien” ”フランスパン cafe”と書かれています。
”Notre Pain Quotidien” はフランス語で「私たちの毎日のパン」。
喫茶「進々堂」はフランスパンの日本発祥のお店です。
お店に入ると右側がカフェ。左側ではパンを販売しています。
店内には楢の木でつくられたテーブルと長椅子が並んでいます。
人間国宝 黒田辰秋の作品。使い込まれて黒光りする木目が歴史を感じさせます。
天井が高く、静かな教室のような雰囲気です。お客さんは学生が多く、読書とパソコンをいじっている人が半々。
一番奥のテーブルに席をとりました。
窓から中庭がみえます。庭の奥にはテラス席が用意されていました。
メニューには料理の可愛らしいイラストが添えられています。
セットメニューはカレーライスとカツカレーライス、カレーパン。
他にケーキやスコーン、イングリッシュマフィンのセットもあります。
カレーパンセット
名物のカレーパンセットを注文。
カレーパンではなく、皿に入ったカレーと2つのパン、サラダとドリンクのセットです。
辛さは強くなく、旨みのきいたカレーです。
ホットコーヒーを注文したら、「ミルクは入れますか?」と訊かれました。
フワッとしたロールパンで、口に入れるとほのかな甘さと香りがします。
美味しいです。
「cafe 進々堂」は寺町や三条にある進々堂とは経営が異なります。
店に入ると時間がゆっくり過ぎています。
食事だけでなく、のんびり本を読みたくなりました。
雰囲気を味わえる、おすすめのお店です。