57歳でフリーターになったUn lapinです。8月の始めに北海道へ行ってきました。
新千歳空港から小樽へ直行して宿泊。翌朝は6:00に起きました。小樽三角市場で朝食を食べて、電車で余市にやってきました。
小樽から余市は電車で20分。ニッカウヰスキー蒸留所は駅から歩いて2分です。
余市
ウイスキー造りの理想郷とし竹鶴政孝が選んだ土地です。北に日本海、三方を緑豊かな山々に囲まれ、気候はスコットランドに似ています。
ウイスキー造りの理想郷
ウイスキーづくりに欠かせない原料と、製造に必要な条件が整っています。
寒冷で湿潤な気候
四季を通じて寒冷で湿潤な気候によって、ウイスキーは熟成されていきます。
石狩湾から吹く海風
熟成の間に海風が原酒に溶け込み、余市モルト特有の潮の香りがうまれます。
豊かな水
余市川の清流には鮎が泳ぎ、鮭が遡上します。モルト原酒の仕込みには余市岳の雪解け水が使われます。
大麦、ピート、石炭
石狩平野にはウイスキーの原料や燃料となる原料と燃料が容易に入手できました。
ニッカウヰスキー余市蒸溜所
ニッカウヰスキー創業の地です。
1934年(昭和9年)に大日本果実株式会社が設立。1936年(昭和11年)にウイスキーの製造が始まりました。現在はモルト原酒が蒸留されています。
蒸留所の開門は8:50。9:00から始まるガイドツアーに参加しました。
蒸留塔
単式蒸留器(ポットスチル)が並んでいます。1935年(昭和10年)に輸入され、1936年(昭和11年)から操業を開始しました。
ポットスチルのしめ縄
ポットスチルに、しめ縄が張られています。「酒造りは神様が見守っていてくれる」。竹鶴政孝は日本酒の造り酒屋の息子でした。
石炭直火蒸留
熟練の職人が石炭をくべて火力を保つことで、ニッカウヰスキー特有の重厚なコクと香ばしさが生み出されます。現在、世界中でこの製法を採用しているのは余市蒸溜所だけです。
粉砕・糖化棟
赤い屋根の石造りの建物です。
麦芽を粉砕し、温水を加えて麦汁をつくります。
リタハウス
緑色の屋根、モルタル塗の外壁、白い窓枠。美しい2階建の洋館です。国の登録有形文化財に認定されています。
1931年(昭和6年)に建設、1934年(昭和9年)から経理事務所やブレンドの研究所として使われました。
耐震性の問題で現在は使われていません。リタ夫人にちなんで英国式のアフタヌーンティーを楽しむ喫茶室として営業していたこともあります。
一号貯蔵庫
ウイスキーの樽が並べられています。創業時に建てられました。夏でも中に入るとひんやりとしています。
窓のない土間造り。床は土のまま。外壁は石造り。空調設備がなくても冷気が保たれます。
貯蔵庫にはウイスキーの香りが漂っています。見学用の樽は空ですが、奥に原酒を詰めた樽が貯蔵されています。
樽の中で熟成する原酒は、木目を通して少しずつ蒸発します。エンジェルズ・シェア(Angel’s share / 天使の分け前)と呼ばれます。
美味しいウイスキーを作るために、天使が分け前を飲んでいるのです。
ウイスキー博物館
貯蔵庫を改装した建物。1998年に開館しました。
ウイスキーの歴史や種類、製造方法を学べるウイスキー館と、ニッカウヰスキーの歴史を展示したニッカ館の2棟からなります。
ウイスキー館
入館するとステンドグラスがあります。
ブラックニッカのラベルでお馴染みのローリー卿。19世紀のキング・オブ・ブレンダーです。
ウイスキー倶楽部
バーカウンターで試飲ができます。
有料ですが、50種類ものウイスキーが揃っています。ここでしか飲めないウイスキーもあります。
ニッカ館
竹鶴政孝とリタ夫人の生涯が、写真や遺品で展示されています。
大日本果汁株式会社の設立からニッカウイスキーへの発展や、日本のウイスキーの軌跡を学べます。
昭和15年に発売された第1号ウイスキーのボトルです。コルク栓なので、ウイスキーが蒸発して減っています。
ニッカ会館
1階がレストラン、2階が無料試飲場になっています。
アップルワイン、スパーニッカ、シングルモルト余市
試飲カードに氏名と年齢を記載すれば、無料で3種類のお酒を試飲できます。
炭酸水や氷が準備されているので、好みの飲み方を選べます。アップルジュースや十六茶も無料でした。
自動販売機でおつまみを購入できます。
枝豆ポリポリ
北海道十勝産の枝豆を、真空フライ製法で仕上げています。
香ばしい枝豆が美味しくて、食べだしたら止まらなくなりました。お土産に追加購入しました。
アップル ワイン チョコレート
ほのかにリンゴが香るホワイトチョコレート。
スーパーニッカに良くあいました。
試飲場には大きなモニターが設置されています。昔のニッカのテレビCMが流れていました。
女優さんの化粧や衣装、ストーリーが懐かしく、時代の変遷を感じられて面白かったです。
笠谷選手のポスター
笠谷幸生さんのポスターが掲げられています。1972年の札幌オリンピックのジャンプ70m級の金メダリストです。
笠谷さんは余市高校の卒業生で、ニッカウヰスキー余市工場に勤務していた余市の英雄です。
ノースランド
蒸留所に隣接するお土産売り場です。余市工場オリジナルの商品がそろっています。
ウイスキーだけでなく、お菓子やおつまみ、ニッカグッズが売られていました。よいt
余市シェリー&スイート
旅行中の晩酌用に蒸留所限定のウイスキーを購入しました。
ブランデーのような甘い香りです。口当たりは滑らか。水に薄めて飲むと、ほのかに甘さを感じられます。
ニッカウイスキー
竹鶴は井戸の「井」の字を入れて、「ウ井スキー」と社名登録を申請しました。カタカナと漢字を併記した登録が許可されず、「ヰ」の字を使って登記しました。
余市ニッカウヰスキー蒸留所。ウイスキーに関する展示や施設だけでなく、豊かな自然に囲まれています。
駆け足ではなく、ゆっくりと見学することをお勧めします。