御徒町にある吉池の鮮魚売り場で「ボラの卵」が売られていました。
生のからすみ ぼう子。酒の肴に。 pic.twitter.com/VkGCQbnUSS
— 吉池 (@yoshiike_group) 2018年12月9日
兵庫県姫路産です。
「からすみは家でも作れるんだよ」と隣のお客さんが教えてくれました。
早速、ボラの卵を買って、自家製の「からすみ」作りに挑戦しました。
「越前のうに」「三河のこのわた」とともに「備前のからすみ」は日本の三代珍味です。
安土桃山時代に、明から日本へ伝来。当時はサワラの卵巣が原料でした。
漢字では「唐墨」。形と色が中国の墨に似ていたことが由来です。
「からすみ」は台湾では烏魚子(オーヒージー)、イタリアではボッタルガ(bottarga)と呼ばれています。
自家製カラスミの作り方を紹介したビデオです。
ボラの卵
からすみの作り方の基本は「ボラの卵」の「血抜き」→「塩漬け」→「塩抜き」→「天日干し」です。
インターネットには様々な作り方が紹介されています。
こちらブログを参考にして「からすみ」作りに挑戦しました。今期もボラ卵カラスミ作りました
作業行程の目安が「ボラの卵」の重量変化で示されているので、初心者にも親切です。
血抜き
塩水の中で血液を抜きます。 血液は臭みの原因になるので、細い血管も処理してください。
太い血管はデザインカッターで切開し、細い血管は針で1cm間隔に穴を開けます。さらに血管をヘラでしごくと、残った血液を押し出せます。
細い血管に血液が残っていても心配はいりません。
氷水に「ボラの卵」を一晩浸しておくと、血管が収縮して残った血液は排出されます。
翌朝には細い血管も見えなくなっていました。
血抜き後の重量は327gでした。
塩漬け
血液が抜けたら、「ボラの卵」を塩につけます。
塩の量は、血抜き後の「ボラの卵」の重量 ×12%。
「ボラの卵」に塩をまぶし、リードペーパータオルで包みます。
さらにキッチンペーパーで包み、ビニール袋に入れて冷蔵庫で保管しました。
水が出てきたら、キッチンペーパーだけを変えます。
塩漬けした日はキッチンペーパーが水びたしになるほど水が出ました。
翌日からはキッチンペーパーが湿る程度になるので、1日に1回キッチンペーパーを変えます。
キッチンペーパーが湿らなくなるまで7日かかりました。「ボラの卵」は指で押してもくぼまなくなっています。
塩漬け後の重量は262gでした。
塩抜き
塩漬けが完了したら、「ボラの卵」から塩を抜きます。
塩抜きには、水か日本酒を使います。先ほどのサイトを参考にして、日本酒で塩抜きしました。
日本酒に漬けておくと浸透圧によって「ボラの卵」から塩が抜け、卵の中に日本酒がしみ込みます。
日本酒の量は、塩漬け後の「ボラの卵」の重量 × 1.2倍。
塩が抜ける量は、日本酒につける時間ではなく、日本酒の量に依存します。日本酒を増やすと、塩は多く抜けます。
全体が軟らかくなったら塩抜きは終了。この時の塩加減が「からすみ」の味を決めます。
今回は2日間、日本酒につけました。
天日干し
塩抜きが終わったら「ボラの卵」を天日干しにします。
天日にさらすと「ボラの卵」はあめ色に変わります。
野菜干し用のカゴで、塩抜きした「ボラの卵」を干しました。
天気の良い日は日光に当てます。
干し始めて3日ごろから乾燥が進み、表面の色はあめ色に変わり光沢が出ていました。
夜は冷蔵庫の中で乾燥させました。
目安は2週間。大きな卵ほど長く干します。
天気が悪い日は冷蔵庫で乾燥。 キッチンペーパーに包んで冷蔵庫に保管します。
干すときに焼酎を塗ると、カビよけになります。
水分は下にたまるので、毎日、表と裏をひっくり返して均等に乾燥させました。
日がたつと「ボラの卵」は固くなってきます。 強く押すと、少しくぼむようになったら「からすみ」の完成です。
固くなりすぎると、ねっとり感がなくなるので注意してください。
天日干し後の「ボラの卵」の重量は211gでした。
重量は血抜き後の327gから65%の重さに減少していました。
最後に房のつなぎ目についているボラの身を取り除き、薄皮をはがします。
日本酒を浸したキッチンペーパーで10分ほど包んでおくと、薄皮は簡単にはがせます。
「からすみ」の表面を焼酎で殺菌。 乾いたら、かび防止のために表面にオリーブオイルを塗布して完成です。
からすみ
熟成
「からすみ」は熟成させると旨みが増します。
真空容器とポンプを使って脱気して密封保存しました。
熟成をまてなかったので、半分は厚めにスライスしてサラダ大根にのせて食べました。
ねっとりとした歯ごたえ。
濃厚な味わいです。
日本酒の香りが口の中に広がります。
売っている「からすみ」に負けていません。
自家製の「からすみ」。手間はかかりますが、難しくはありません。
「ボラの卵」を見かけたら、ぜひ挑戦してみてください。
オススメします。
[…] 初心者でも美味しい自家製「からすみ」ができました。「からすみ」の作り方を紹介します。 | 57歳、フリーターしてます。 (careerchange-diary.com) […]