食中毒に注意! 低温調理は温度と時間の管理が重要です

低温調理器の温度設定を示すモニターの写真です。温度は46度に設定されています。

低温調理器具を購入しました。容器に入ったお湯の温度を一定に保つのが低温調理器具の役目です。

低温調理器具があれば柔らかくてジューシーな肉料理を作れます。しかし調理温度が低いので殺菌効果が弱く食中毒の恐れがあります。

今回は安全に低温調理するための注意点を食中毒を中心にまとめました。低温調理法に興味がある方は参考にしてください。

低温調理法

低温調理法、または真空調理法と呼ばれます。食材をビニール袋に密封して温度を一定に保ったお湯へ入れるだけ、空気による熱減衰がないので食材を設定した温度で調理できます。

焼く」「蒸す」「煮る」につぐ第四の調理方法として1979年フランスで開発されました。ジューシーな肉料理を作れますが食中毒には注意が必要です。衛生管理を徹底して食材に応じた適切な温度と時間で調理しなければなりません。

温度の設定

なぜ肉を低温で調理すると柔らかくジューシーに仕上がるのでしょうか。

高温で肉を焼くと肉は固くなり水分も失われます。動物の筋肉は水分が約75%でタンパク質が約20%、残りは脂肪からなります。

肉の柔らかさにはタンパク質のアクチンが影響しています。加熱によりアクチンが変性すると肉は固くなり、水分が肉汁として放出されます。このためアクチンが変性する66℃以下の温度で調理をすると、肉は柔らかくジューシーになります。

食中毒の予防

火を使った調理と比べると低温調理法は調理温度が低いために殺菌効果が弱く食中毒の危険が高くなります。このため低温調理法では衛生管理が重要です。

厚生労働省「大量調理施設衛生管理マニュアル(平成29年6月16日版)」は調理過程における重要管理事項を次のように示しています。

1. 原材料受入れ及び下処理段階における管理を徹底すること。
2. 加熱調理食品については、中心部まで十分加熱し、食中毒菌等(ウイルスを含む。以下同じ。)を死滅させること。
3. 加熱調理後の食品及び非加熱調理食品の二次汚染防止を徹底すること。
4. 食中毒菌が付着した場合に菌の増殖を防ぐため、原材料及び調理後の食品の温度管理を徹底すること。

厚生労働省「大量調理施設衛生管理マニュアル(平成29年6月16日版)より引用

上記マニュアルは大量調理施設に適用されますが、家庭における低温調理にも同様の衛生管理が求められます。

1. 原材料受入れ及び下処理段階における管理

新鮮な食材を消費期限を確認して購入しましょう。生鮮食品は1回で使い切る量を調理当日に仕入れて購入後はできるだけ早く調理してください。

肉は切りこみのないブロック状のものを使用する。切り込みがあると食材の内部に細菌が侵入する危険が高くなります。

2. 加熱調理食品の加熱温度管理

加熱温度と時間を厳密に管理して食材の中心部まで十分加熱して食中毒菌等を死滅させます。厚生労働省は加熱食肉製品の製造基準を次のように定めています。

製品は、その中心部が63℃で30分間加熱する方法又はこれと同等以上の効力を有する方法(魚肉を含む製品であって気密性のある容器包装に充てんした後殺菌するものにあっては、その中心部の温度を 80°で 20 分間加熱する方法又はこれと同等以上の効力を有する方法)により殺菌しなければならない。

厚生労働省「食肉製品の規格基準」より引用

「63℃で30分間加熱」とは食材を63度の湯に30分間つけるのではなく、食材の中心部を63度に30分間保つことです。

3. 加熱調理後の二次汚染の防止

  • 必ず流水と石けんでしかかりと手洗いをする
  • 包丁やまな板などの調理器具や容器を清潔に管理する
  • 食品の冷却や保管は清潔な場所で行う
  • 衛生的な容器にふたをして保存する

4. 原材料と調理済み食品の温度管理

20℃~50℃で食中毒菌は活発に増殖するので食材がこの温度帯にある時間を短くします。持ち帰ったら食材は室温に放置せずにすぐ冷蔵庫で保存してください。

冷蔵庫から出した食材は速やかに調理します。調理後はすぐに食べるか、急速冷却して密封した容器で冷蔵庫に保存します。

低温調理器具

色々な器具が販売されています。私は日本製のBONIQを購入しました。

BONIQ

色はシルキーホワイト、0.5度単位で温度設定が可能です。

BONIQという低温調理器の写真です。ホルダーで鍋に固定されています。

低温調理器具で最も有名なのはANOVA、家庭用低温調理器具の草分けです。時間と温度をスマホで設定できるのが特徴です。しかし電源プラグが海外仕様の3Pタイプなので日本で使う場合は変換するアダプターが必要です。

スマホでの調理設定は必要がはなく、使用後のトラブル対応には日本製の方が安心と考えて私は日本製のBONIQを選びました。

低温調理方法

  1. 深い鍋に水または湯を入れる
  2. フィルム袋に食材と調味料を入れて密封する。
  3. 低温調理器具を鍋に固定し、温度と時間を設定する
  4. お湯が湧いたら食材をお湯につける
  5. 設定した時間がたつとアラームで知らせてくれる

これだけで完成です。低温調理法は器具があれば簡単に美味しい料理を作れます。

しかし調理温度が低く食中毒の危険が高いので次のポイントを必ず守ってください。

  • 新鮮な食材を使い、素早く調理
  • 加熱温度と時間を厳密に管理
  • 調理後はすぐに食べるか、急速冷却して冷蔵庫で保存
男の子と女の子が、祖父母、父母と手をつないでいるイラストです。

また細菌への抵抗力が弱い幼児や妊婦、高齢者、免疫不全の人には低音調理した料理を提供しないでください。

肉を柔らかくてジューシーに調理できる低温調理器具を紹介しました。理温度が低くく殺菌効果が弱いので食中毒には十分注意してください。安全に低温調理するための注意点をまとめたので参考にしてください。

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