平日の昼間に上野の東京国立博物館を訪れました。
JR上野駅からは歩いて8分。
1872年(明治5年)に創設された日本最古の博物館です。
美術品や考古遺物の展示だけでなく、建物や庭園、ミュージアムショップなど様々な楽しみ方ができました。
東京国立博物館の魅力を紹介します。
東京国立博物館
JR上野駅を「公園口」で降りると、目の前は上野恩師公園。
ポスターに描かれている素朴な表情の石柱に目が引かれました。
東京国立博物館では「アラビアの道-サウジアラビア王国の至宝」が開催中。
そこで展示されている「アラビアの人形石柱」です。
国立西洋美術館の先を右に曲がり、まっすぐ進むと荘厳な建物が見えてきます。
昭和13年に昭和天皇の即位を記念して建てられた「東京国立博物館本館」です。
アラビアの道-サウジアラビア王国の至宝
博物館に入って左手にある表慶館が会場。
皇太子(後の大正天皇)のご成婚を記念して1909年(明治42年)に開館しました。
入り口に鎮座するライオン。
エントランスの天井は趣のあるデザイン。
表慶館は東京国立博物館の中で唯一明治時代の建造物。
通常は内部非公開なので、見学できるのは貴重な機会です。
内部は優美で、明治末期の洋風建築を楽しめました。
アラビアの人形石柱
入館すると上野公園のポスターに載っていた「人形石柱」が迎えてくれます。
ハーイルというアラビア半島の根本にある土地に残されていた石柱。

カルヤト・アルカァファ(ハーイル)出土 前3500~前2500年頃 サウジアラビア国立博物館蔵
アラビア半島と周辺の先史文化に特徴的なシンプルな人物表現。
素朴で穏やか、人の良さそうな表情。
心が和みます。
この石柱を見られただけで、来館した甲斐がありました。
柱の台座または祭壇
神官が儀式を行う様子が刻まれた砂岩。

タイマー出土 前5~前4世紀 サウジアラビア国立博物館蔵
メソポタミアやエジプト図像表現が入り混じった浮彫です。
ヒトコブラクダ
砂漠では隊商交易に必要不可欠な家畜でした。

カルヤト・アルファーウ出土 前3世紀~3世紀頃 キング・サウード大学博物館所蔵
こぶの中には約35キロもの脂肪を蓄えることができます。
このおかげでラクダは水を飲まずに砂漠を160kmも移動できました。
奉献台
神殿などで香を捧げるために使われた奉献台。

カルヤト・アルファーウ出土 前4~前1世紀頃 キング・サウード大学博物館蔵
ライオン像
青銅製のライオン像。

ナジュラーン出土2世紀頃 サウジアラビア国立博物館蔵
ライオンをモチーフにした作品は他にも多くありました。
葬送用マスク
6歳前後の少女が埋葬されていた石室に納められていた葬送用マスク。

テル・アッザーイル出土 1世紀頃 サウジアラビア国立博物館蔵
金製のマスクやネックレス、ブレスレットも副葬品として納められていました。
ネックレスには金、真珠、トルコ石、ルビーが使われています。
カァバ神殿の扉
オスマン帝国のスルタン「ムラト4世」がカァバ神殿に寄進した扉。

オスマン朝時代・1635年~1636年 サウジアラビア国立博物館蔵
上部に優美な書体で銘文が刻まれています。
イスラム教の聖典コーランの一節と、スルタン「ムラト4世」による扉の寄進が記されています。
1930年頃まで実際に使われていました。
預言者モスク、シリア扉のカーテン
金の糸で細工が施された絹のカーテン。

マディーナ出土 キング・アブドゥルアジーズ図書館蔵
天井までおよぶ巨大なカーテンです。
大きさに圧倒されました。
「アラビアの道-サウジアラビア王国の至宝」は質、量ともに充実した展覧会でした。
この後は平成館の考古展示室を見学しました。
平成館 考古展示室
素敵な衣装を纏った女性の埴輪が迎えてくれます。
埴輪 盛装女子
女子の全身立像は珍しい埴輪です。

古墳時代・6世紀 群馬県伊勢崎市豊城町横塚出土 東京国立博物館蔵
これほど盛装した埴輪は稀で、高位の女性を写したものと考えられています。
遮光器土偶
宇宙人の様な土偶が展示されていました。

縄文時代・前1000~前400年 青森県つがる市木造亀ヶ岡出土 東京国立博物館蔵
左脚がありません。
脚は破損したのではなく、治癒を願って病気の部位を破壊した可能性があるそうです。
眼鏡をかけているように見える大きな目が、北方民族のイヌイットが雪中の光除けに着用した「遮光器」に似ていることから「遮光器土偶」と呼ばれています。
この展示室には埴輪や土偶の他に銅鐸や縄文、弥生土器が展示されています。
教科書でしか見たことのない出土品を間近に見ることができました。
ミュージアムショップ
本館1階にミュージアムショップがあります。
東京国立博物館の公式キャラクター「トーハクくん」のマスコットです。
この他にも靴下やネックレス、バッグ、ミトン、耳かき、ばんそうこう等の「トーハクくん」グッズが並んでいました。
国宝や名画をもとにデザインされた絵はがきや文房具、Tシャツ、アクセサリー、お菓子なども購入できます。
2階にある本棚は美術関係の本が充実していました。
約4500種類の美術や考古、歴史に関係する図書が販売されています。
一般書店では目にすることのない展覧会のカタログも揃っていました。
この棚を眺めているだけで、時間はあっという間に過ぎていきます。
自由に過ごせるスペース
東京国立博物館は各所にベンチやソファが備えられていています。
平成館から本館へむかう途中のラウンジ
目の前は池の周りに茶室が点在する庭園。
庭を眺めながらソファで休めます。
居心地が良いので、多くの人たちが昼寝をしていました。
法隆寺宝物館1階のエントラスホール
庭に面したガラス窓から宝物館前の庭や池を眺められます。
イタリアのマリオ・ベリーニ(Mario Bellini,1935- )がデザインしたアームチェア。
法隆寺宝物館2階
灯りをおとした落ち着いた雰囲気です。
ソファはル・コルビュジエ(Le Corbusier, 1887-1965)のデザイン。
屋外に備えられたテーブルと椅子
庭のベンチでお弁当。
正門を入って左側にあります。
暖かくなったら博物館のシンボル「ユリノキ」の木陰で昼寝もオススメです。
自由に過ごせる快適な空間でした
展示だけでなく、様々な楽しみ方ができます
この後はお昼ご飯を御徒町で食べました。
御徒町には、すごいお店がありました。

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