祈りは繋がり、第2回「神宮125社まいり」-『お伊勢さん』DVDボックス

風日祈宮の写真です。祭神は伊弉諾尊の御子神です。

お伊勢さん』DVDボックスで伊勢神宮の歴史と行事を紹介しています。

伊勢神宮外宮の正宮 豊受大神宮の写真です。 太陽に感謝、第1回「伊勢への道」-『お伊勢さん』DVDボックス

今回は第2回「神宮125社まいり」を紹介します。

俳人の黛まどかさんと女優の夢輝のあさんが案内役、黛さんはお社を訪れて歴史や祭典を紹介します。夢輝さんは摂末社巡拝ツアーに同行します。

伊勢神宮を参拝する機会の参考にしてください。

伊勢神宮を構成する125社

伊勢神宮は外宮と内宮の他に別宮14所、摂社43社、末社24社、所管社42社で構成されています。これらを総称して「神宮125社」と呼びます。

それぞれのお社は天照大御神や豊受大御神だけでなく、様々な神様をお祀りしています。

125社の分布

内宮や外宮だけでなく125社は伊勢市と松阪市、鳥羽市、志摩市、度会郡、多気郡の4市2群に点在

伊勢神宮を構成する神宮125社の分布状態を示す地図です。伊勢神宮は外宮と内宮の他に、別宮14所、摂社43社、末社24社、所管社42社で構成されています。

摂社と末社、所管社は外城田川や宮川、五十鈴川の流域に多く分布します。

別宮、摂社、末社、所管社

別宮:正宮と関わりが深く格の高い宮

摂社:延喜式神明帳に記載の神社

末社:延暦儀式帳に記載の神社

所管社:正宮、別宮の所管する神社

皇學館大学の櫻井治男教授と黛さんがお社を訪れました。

内宮 摂社「朽羅神社」

祭神は農耕神、水田の中に小島のように浮かんで見えます。玉砂利は特に小さな石を敷いているので踏みつけると良い音がします。

鰹木という丸太状の木がお社の屋根の上に水平に置かれています。鰹木の数は内宮が偶数、外宮が奇数に定められています。

屋根の両側には千木という2本の板木が突き出ています。この先端が内宮は地面と平行、外宮は地面と垂直に切られています。

お社の特徴が分かると、外観だけで内宮と外宮のどちらに属するお社か判断できるようになるそうです。

摂末社を巡拝

神宮125社をすべてを巡拝します。江戸時代にお伊勢参りの隆盛とともに盛んになりました。

参拝者は両宮摂末社巡拝絵図をもって巡拝しました。現在のガイドブックにあたります。

江戸時代の伊勢参宮名所図会の写真です。江戸時代の旅行ガイドブックです。
《伊勢参宮名所図会》 三重県総合博物館「伊勢参宮名所図会」より引用

伊勢参宮名所図会は江戸時代にベストセラーでした。

125社まいり

夢輝さんが伊勢神宮崇敬会主催のツアーに同行しました。1回2泊3日のツアーを年3回催して全125社を巡ります。

月夜見宮や高河原神社、草奈伎神社、清野井庭神社、草奈伎神社、大間国生神社、志等美神社、大河内神社、打懸神社などが紹介されます。

伊勢から離れた土地にあるお社

内宮 別宮 瀧原宮

三重県度会郡大紀町町滝原にあります。内宮より古い創建です。この周辺には土地の産物を神様に供する場所である御贄の地がありました。

内宮 別宮「伊雑宮」

三重県志摩市磯部町、御贄の地として海水産物を貢いだ場所です。漁業関係者に信仰されています。

伊雑宮 所管社「佐美長神社」

三重県志摩市磯部町恵利原にあります。穂落社とも呼ばれ祭神は大歳神、穂落伝承に登場する真名鶴が大歳神であるとされています。

倭姫宮が志摩国を巡行しているときに、稲穂をくわえて鳴きながら飛んでいる一羽の真名鶴を見つけました。倭姫宮はその真名鶴を大歳神と崇めてこの地にお祀りしたと伝えられています。

内宮 別宮「伊雑宮」

三重県志摩市磯部町上之郷にある別宮、瀧原宮とともに「天照大神の遙宮」と呼ばれ天照大神御魂を祀っています。

毎年6月24日に行われる伊雑宮の御田植祭の様子がDVDで紹介されました。真名鶴の伝承を起源とし豊作を祈念します。千葉県の香取神宮と大阪府の住吉大社とともに日本三大御田植祭の一つです。

御田植式の日には伊雑宮のお使いである「七本鮫」が沖から参拝に来ると伝えられています。このため、地元の漁師や海女はこの日の漁を休む習慣があります。

摂末社のお祭り

摂末社で催されるお祭りが紹介されました。

例大祭

内宮 別宮「倭姫宮」で5月5日と11月5日に行われるお祭り、倭姫命の多大の功績を偲んで倭姫宮御杖代奉賛会が主催します。

神御衣奉織始祭

内宮 所管社「神服織機殿神社」と「神麻続機殿神社」で5月と10月に行われます。絹の和妙と麻の荒妙を織り始め、清く美しく織り上がるよう祈りをささげます。

神御衣奉織鎮謝祭

13日目に和妙と荒妙が織りあがると、機殿の神様へ祈りを捧げます。織られた和妙と荒妙は内宮へ運ばれ天照大神に奉られます。

御塩殿祭

内宮 所管社「御塩殿神社」で塩業の繁栄を祈ります。五十鈴川河口の御塩浜の塩水で作った荒塩を三角錐の土器で焼き固めて堅塩を作ります。堅塩は神宮の全ての祭典でお供えとして、また清めのために使われます。

櫻井教授と黛さんが最後に3つのお社を訪れました。

内宮 末社「津布良神社」

三重県度会郡玉城町積良にある末社、杉と檜の森に囲まれています。伊勢神宮内宮の末社で水の神を祀る神社です。

内宮 摂社「江神社」

三重県伊勢市二見町の音無山東麓にあります。五穀豊穣の守護神を祀ります。

内宮 摂社「粟皇子神社」

三重県伊勢市二見町、池の浦に臨む岬にあります。祭神は海岸の守護神、伊勢神宮を構成する125社のうち最も海に近い地にあります。

祈りは繋がりである

伊勢神宮を構成する125社は広い地域に分布し、さまざまな神様を祀っています。

それぞれの神社は古くから地域に根ざし、伊勢神宮と関わりのあるお祭りを執り行っています。

伊勢神宮は古くから日本人の生活に根付いてきました。櫻井教授は「祈りは繋がりである。人、神、先祖、そして次世代の人たちとの繋がりを感じることである」と述べています。

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