57歳でフリーターになったUn lapinです。
名古屋で仕事を終えた後に「お伊勢参り」をして来ました。
伊勢神宮外宮までは、近鉄特急で名古屋から1時間20分。まず外宮を参拝し、次に内宮をお参りしました。
伊勢神宮
今から約2000年前に五十鈴川のほとりに皇大神宮が定められました。
正式には「神宮」。内宮と外宮を中心に、それぞれの別宮、摂社、末社、所管社など合わせて125社からなります。
「内宮」は「ないくう」、「外宮」は「げくう」と濁らずに読みます。
式年遷宮
125社のうち内宮と外宮の正宮を始め、両宮と関わりの深い14の別宮などが、20年ごとに隣の敷地に建て替えられてご神体を遷します。
このため、それぞれの社殿の隣には、次の遷宮のために同じ広さの敷地があります。
外宮の土宮の社殿と新御敷地です。
前回の遷宮まで社殿が立っていた場所を「古殿地」といいます。式年遷宮が終わって半年ほど経つと社殿は取り壊されて「新御敷地」と呼ばれます。
外宮の正宮の新御敷地です。
玉砂利がひかれ、奥の方に覆屋があります。正殿の中心で心御柱が建てられる場所です。次回の遷宮では、この場所に新しい社殿が建てられます。
同時に宝殿外幣殿、鳥居、御垣、御饌殿など計65棟の殿舎と装束・神宝、宇治橋も造り替えます。
約1300年前の飛鳥時代に天武天皇が定めた制度です。第1回は内宮が690年(持統天皇4年)、外宮が692年(持統天皇6年)とされています。2013年(平成25年)に62回目の遷宮が行われました。
参拝の作法
外宮先祭・外宮先拝
式年遷宮を除いて伊勢神宮の祭事は外宮から行われます。
豊受大御神を伊勢に迎えたときに天照大御神が「我が祭りに仕え奉る時は、先ず豊受の神の宮を祭り奉るべし、しかる後に我が宮の祭り事を勤仕べし」と命じたことに由来します。
参拝も外宮からお参りするのが古くからの慣わしです。外宮、内宮とも、正宮を参拝してから「別宮」を参拝します。正宮は必ず参拝し、別宮だけの参拝は避けます。
片参り
外宮か内宮の片方だけのお詣りは、「片参り」と呼ばれて縁起のよくないこととされています。
私幣禁断
伊勢神宮の正宮では、お賽銭や個人的な願いはしません。
平安時代にできた「伊勢太神宮式」では、天皇以外の奉納や願いごと禁じられていました。この規定は形骸化されていますが、現在でも正宮では金銭などの奉納と個人的な願いごとはしません。
正宮では日々の暮らしに感謝します。
個人的なお願いは「第一別宮」でします。外宮では「荒祭宮」、内宮では「多賀宮」が「第一別宮」です。
二礼二拍手一礼
伊勢神宮の正式な参拝方法です。
1.神前に進み姿勢を正します。
2.背中を平らにし、腰を90度に折り、2回深いお辞儀をします。
3.胸の高さで両手を合わせ、右指先を少し下にずらします。
4.肩幅程度に両手を開き、2回拍手を打ちます。
5.ずらした指先を元に戻し、最後にもう1回深いお辞儀をします。
神宮「参拝の作法とマナー」より引用
正中
参道の中央は神様の通り道で「正中」と呼ばれています。参拝者は中央を通らず、外宮では「左側」、内宮では「右側」を歩きます。
手水の作法
外宮と内宮の手水舎での作法です。内宮の五十鈴川御手洗場でも手を清められます。
1.右手で柄杓を持ってたっぷりと水をくみ、左手を清めます。
2.柄杓を左手に持ち替えて、右手を清めます。
3.再び柄杓を右手で持ち、左手で水を受け、口をすすぎます。
4.改めて左手を清めます。
5.残った水で柄杓の柄を洗い清め、元に戻します。
神宮「参拝の作法とマナー」より引用
外宮
外宮の祭神は豊受大御神です。約1500年前に天照大御神の食事を司る神として迎えられました。
伊勢市駅で下車。名古屋から近鉄特急で1時間20分。外宮参道を歩いて5分ほどで到着します。
神宮「イラストマップ(外宮)」より引用
火除橋
神宮の神域の堀川に架けられた橋です。
ここからは左側通行になります。正中は神様の通り道です。
手水舎
橋をわたると鳥居の左手前にあります。
参拝前に手と口を清め、俗界のけがれを落とします。
一の鳥居
高さ7.5m、柱の周囲は75cm。鳥居は俗世界から神域への入口です。鳥居をくぐる前に一礼します。左足から踏み込むのが基本です。
外宮参道
大きな木が生い茂り、深い緑に囲まれた参道が続きます。厳かで神聖な気持ちになります。二の鳥居をくぐり正宮へ向かいます。
正宮 豊受大神宮
豊受大御神を祀っています。
絹でできた純白の帳越しに参拝します。四重の御垣に囲まれているので、正宮は見えません。
檜尾山
御池にかかる亀石を渡ると小高い丘があります。檜尾山です。石段を98段登ると多賀宮です。
多賀宮
豊受大御神の荒御魂をお祀りしています。
外宮の四別宮のうちでは最も古く、第一に位しています。社殿の大きさも正宮に次ぎます。
石段を降りて、土宮と風宮を参拝しました。
外宮を参拝した後、内宮へ向かいました。バスで10分。徒歩だと50分かかります。
内宮
「日本人の総氏神」といわれる天照大御神を祀っています。
神宮「イラストマップ(内宮)」より引用
宇治橋
内宮の入口。五十鈴川にかかった木造の橋です。人と神とを結ぶ架け橋といわれています。ここからは右側通行です。
橋の両端に大きな鳥居があります。
式年遷宮の後に解体された内宮と外宮の旧正殿の棟持柱で作られています。神域側は「旧内宮」、入口側は「旧・外宮」の棟持柱を使用します。
内宮側の河原から見た宇治橋です。全長101.8m、幅8.42m。通っているときは感じませんが、とても大きな橋です。
五十鈴川
神路山と島路山を水源とする五十鈴川です。
「御裳濯川みもすそがわ」とも呼ばれ、倭姫命が御裳のすそを濯いだことから名付けられたと伝えらえています。
手水舎
火除橋をわたると右手にあります。
手水の作法に従い、参拝前に手と口を清めます。
一の鳥居
高さ7.5m、柱の周囲は75cm。神域への入口です。
一礼して鳥居をくぐると、右手に五十鈴川が流れています。
五十鈴川御手洗場
参道を右手の斜面へ下りていくと御手洗場です。手を清められます。
川辺の石畳は、1962年(元禄5年)に徳川綱吉の生母桂昌院が寄進したと伝えられています。
正宮 皇大神宮
皇室の祖神であり、国民から総氏神として崇められる天照大御神を祀っています。約2000年前に定められました。
個人的な願いごとはせず、感謝の気持ちをもって参拝します。
御稲御倉
御稲御倉神が祀られています。
神宮神田で収穫された稲が抜穂にして納められています。内宮の祭祀にあわせて抜穂は取り出されます。
荒祭宮
祭神は天照大御神の荒御魂です。
内宮にある十別宮の第一に位しています。個人的なお願いをしても良いとされています。
風日祈宮橋
風日祈宮に通じる風日祈宮橋です。島路川に架かっています。
この辺りは新緑や紅葉の名所です。
橋の両端に鳥居があります。
風日祈宮
風雨を司る級長津彦命と級長戸辺命が祀られています。
農作物に影響を与えるので、正宮に準じて丁重に祀られています。
参拝を終えて宇治橋を渡ると、五十鈴川沿いのおはらい町通りに出ます。美味しいお店がたくさんあるので食べ歩きをしながら散策しました。
おはらい町通りからは神宮会館前でバスに乗り、6分で近鉄五十鈴川駅に到着します。
まとめ
お伊勢詣りをしてきました。参拝にはいくつかポイントがあります。
● 両宮を参拝する。
外宮を参拝してから内宮へ、両宮とも正宮から別宮へお参りします。
● 参道の中央を歩かない。
正中は神様の通り道。外宮は左側、内宮は右側通行です。
● お賽銭や個人の願いごとはしない。
日頃の感謝の気持ちを伝えます。
豊かな自然の中で厳かな気持ちになれます。作法を守って、ぜひ楽しく参拝してください。
「伊勢志摩」の記事です。
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