伊勢神宮の歴史と行事をDVD『お伊勢さん』で学んでいます。
太陽に感謝、第1回「伊勢への道」-『お伊勢さん』DVDボックスDVDボックスの各ディスクに特典映像が付属、今回はDisc1の特典映像「1年のお祭り」を紹介します。1年を通じて催される伊勢神宮のお祭りを5分ほどにまとめた映像です。
伊勢神宮で催されるお祭り
大麻暦奉製始祭
神宮大麻と呼ぶお神札や神宮暦を奉製が滞りなく行われるよう祈る年初めのお祭りです。毎年御用始めの日に神宮司庁頒布部で行われます。大麻は神棚などに祭る伊勢神宮の神札のこと
「天照皇大神宮」と書かれた神札に「皇大神宮御璽」の印を神職が押す様子が紹介されます。和紙と装束の白に対し朱肉の色が鮮やかです。
祈年祭
「としごいのまつり」とも言います。春の耕作始めにその年の五穀豊穣や産業の発展、国家・国民の繁栄を祈るお祭りです。伊勢神宮だけでなく、全国の神社で2月17日~23日に行われます。
映像では雪が降る中を大きな傘を差しかけながら参進する様子が紹介されています。
神楽祭
伊勢神宮のご神徳を発展させ、雅楽を広く一般に広めるために各種伝統芸能が奉納されます。春は「昭和の日」、秋は「秋分の日」をはさむ三日間執り行われます。
内宮神苑の特設舞台で奉納される神楽舞の様子が紹介されます。
神田御田植初
神嘗祭をはじめ伊勢神宮のお祭りでお供えする御料米の早苗を植える行事です。地元楠部町の神宮神田御田植祭保存会の奉仕により5月上旬に行われます。
菅笠の女性と子持帷子に烏帽子姿の男性が神宮神田で田植えをする様子が紹介されています。
風日祈祭
伊勢神宮の両宮をはじめ別宮、摂社などに祈ります。天候が順調で風雨の災害なく五穀の稔りが豊かであるよう御幣を捧げるお祭り、5月14日と8月4日に行われます。
緑に囲まれた木製の風日祈宮橋を渡る参進、神職は辛櫃から蓑笠を取り出しています。
神御衣祭
毎年5月と10月の14日に皇大神宮と荒祭宮で行われるお祭り、神御衣は神様の衣です。
神職が和妙や荒妙などを納めた辛櫃を運ぶ様子が紹介されます。
天照大御神の荒御魂をお祀りするために、和妙と呼ばれる絹と荒妙と呼ばれる麻の反物を御糸、御針などの御料と共にお供えします。
月次祭
6月と12月の月次祭と10月の神嘗祭は伊勢神宮の最も由緒深いお祭りです。「三節祭」と呼ばれ、皇室の弥栄と五穀の豊穣、国家の隆昌、並びに国民の平安を祈願します。
映像では第二鳥居前で修祓が行われる様子が紹介されています。
両正宮に引き続き6月25日まで別宮をはじめ摂社、末社、所管社に至るすべてのお社で行われます。
抜穂祭
御料米の稲を忌鎌で刈り、稲穂を一本ずつ抜き奉るお祭りで、9月上旬に行われます。稲穂は10月の神嘗祭をはじめとした諸祭典にお供えされます。
神宮神田で神職が稲を刈り取る様子が紹介されています。刈り取られた稲は内宮の御稲御倉と外宮の忌火屋殿内に奉納されました。
初穂曳
その年に収穫された初穂を伊勢神宮へ奉納するお祭りです。外宮へは陸曳で、内宮へは川曳で奉曳します。神嘗祭に合わせて10月15日に行われます。
お木曳き車に初穂を乗せて街を練り歩く様子が紹介されています。お木曳き車は人の背丈の2倍以上の高さで車輪の直径は1m以上あります。
神嘗祭
その年に天皇が収穫した新穀を天照大御神に捧げます。秋の実りに感謝し、皇室の弥栄、五穀の豊穣、国家の隆昌、並びに国民の平安を祈願します。
闇の中で行われる由貴大御饌の儀が紹介されています。
両正宮に引き続き別宮、摂社・末社・所管社に至るすべてのお社で行われます。神宮の最も重要なお祭りのひとつです。
倭姫宮例大祭
毎年5月5日と11月5日に天照大神を現在の地に祀ったとされる倭姫様の功績を偲んで行われます。
本殿前で奉納される巫女の倭舞と舞楽「蘭陵王」が紹介されます。
新嘗祭
皇居の神嘉殿で天皇が新穀を天神地祇に供え、みずからも食する祭儀です。伊勢神宮では天照大御神をはじめとする神々に神饌をお供えする大御饌の儀が行われ、続いて勅使が天皇陛下の幣帛を奉ります。
お祓いを受けた辛櫃を神職が運ぶ様子が紹介されています。新嘗祭は両正宮に引き続き、すべてのお社で行われます。
豊作を願い、感謝する
伊勢神宮では1年間に催されるお祭りは1500回、特典映像「1年のお祭り」では主だったお祭りが紹介されています。
ほとんどのお祭りは農作物が豊に実ることを願い、その恵みに感謝するために行われます。
古来より日本人が自然に畏敬の念を持ち、ともに生きてきたことを実感しました。日本人の心の原点がここあります。