57歳でフリーターになった Un lapinです。
仕事を変えて定刻に帰宅しています。夕方の時間に余裕ができたので、夕飯の一品を作り始めました。
最初はインターネットのレシピサイトを参考にしましたが、最近は本を読んでいます。
本は知らない料理に出会えるので、経験とレパートリーが少ない私には本の方があっています。
これまで私が読んだ中でおすすめは、土屋敦『このレシピがすごい!』(扶桑社、2015年)です。
料理研究家の土屋敦さんがこれまでに読んだ3,000冊の料理本の中から、「すごいなぁ」と思った21の料理と著者を紹介しています。レシピだけではなく、レシピが掲載された本や料理家について考察もしています。
ほうれんそうとにんにく
紹介された料理は簡単なものが多く、自分で作ってみたくなります。
今回は河田吉功『野菜炒め天国』(文化出版局、1996 年)の「ほうれんそうとにんにく」を作ってみました。
河田さんは渋谷神泉にあった中華料理の名店「文琳」の料理長だった方です。
材料は、ほうれん草とにんにくだけです。
材料
ほうれん草
ニンニク(荒みじん切り)
塩
太白ごま油
酒
ポイント
次の4点を守ることが大切です。
● 根の周囲をカッターで尖らせる。
● 水洗いをした後に、 20~30分間水に浸けておく。
● 鍋はあおらない。
● 汁はフライパンに残す。
根の周囲は鉛筆を削る要領で周囲を削ぐように落として尖らせます。
切り落とすことが多いですが、根は甘くて美味しい部分です。
水洗いをした後に、 20~30分間水に浸けておきます。
ほうれん草に不足している水分を補給します。
ほうれん草をざるに上げて水気をきり、にんにくと塩をのせておきます。
ステンレス多層構造鍋
わが家はIHクッキングヒーターなので、鍋底の丸い中華鍋を使えません。
今回はステンレス多層構造鍋で作りました。丸元淑生さんの本を読んで購入した鍋ですが、とても重宝しています。
「丸元淑生さんが教えてくれたステンレス多層構造鍋、野菜本来の旨味と風味を味わえます」
『このレシピがすごい!』でも、丸元さんの「タラのフラシオサ風」が紹介されています。丸元さんはこの料理でも、ステンレス多層構造鍋をすすめています。
調理方法は丸元さんが教えてくれたクイックスティアフライを応用しました。
多層構造鍋を中火で熱してごま油をひきます。最初はほうれん草の上下を手で入れかえ、ふたをして火を弱火にします。1分で火を止めます。
しんなりしたら、酒を加えて器に盛ります。
アクが出ているので、汁はフライパンに残します。
食べた感想
「美味しい」です。
「お店みたい」「本当に根もとが甘い」と言って、家族は完食してくれました。
● 根の周囲をカッターで尖らせる。
● 水洗いをした後に、 20~30分間水に浸けておく。
● 鍋はあおらない。
● アクが出ているので、汁はフライパンに残す。
味の本質と関係ないような一手間が料理全体を変えてしまうことに驚きました。
河田吉功『野菜炒め天国』について、土屋さんは次のように語っています。
メイン食材1つか2つに、味出し(うまみやコク)、香りを組み合わせたものだが、これがものすごく勉強になる。
土屋敦『このレシピがすごい!』(扶養者、2015年)p109より引用
『野菜炒め天国』をAmazonで検索しましたが、残念ながら取り扱われていませんでした。
『このレシピがすごい!』は料理研究家の他にも、檀一雄や平松洋子、開高健などの作家が作る料理も取りあげています。
すべての料理が自分でも作れそうです。次は栗原はるみさんの「たこの香味サラダ」を試す予定です。
私のような料理初心者におすすめの本です。面白いので、ぜひ読んでみください。料理を作りたくなると思います。
「料理」の記事です。
調味料を加えなくても、美味しい。たなかれいこ「蓮根のはさみ揚げ」