美味しいご飯を食べたくて、とうとうお櫃(おひつ)を買ってしまいました。
きっかけは、真崎庸『ご飯の炊き方を変えると人生がかわる』(晶文社 、2019)。
ご飯の炊き方を調べていて、この本にたどり着きました。
美味しいご飯を食べる秘訣は、炊き方だけでなくお櫃にあります。
炊きたてのご飯をお櫃に移すだけで美味しさはアップ。
もっと美味しいご飯を食べたい方にお櫃をオススメします。
お櫃の使い方を紹介したビデオです。
柾式炊飯術
著者は東京都中野区にある「柾(まさき)」という和食店のご亭主。
柾式炊飯術では、フタをしないで最初から強火で一気にご飯を炊き上げます。
この方法で炊くと、粘りや甘さがおさえられてご飯に強い旨みを感じます。
真崎さんの本には、うまく炊けなかった時の対処法も詳しく書かれていました。
この本を参考にして、次のような方法でご飯を炊いています。
洗った米を水につけて吸水させる
1合の米を14cm径のストウブ鍋でIHヒーターを使って炊く
加熱開始から10分半で炊き上げる
フタを開けると、ツヤツヤ光るご飯。
しゃもじを入れると、さっくとした手応え。
すぐに鍋からお櫃へご飯を移します。
お櫃(おひつ)
このひと手間でご飯がより美味しくなります。
真崎さんも、お櫃をオススメ。
もし炊飯にお金をかけるなら、鍋にこだわるよりもお櫃を求めてもらいたいです。炊きあがったごはんは、鍋に入れたままにすると湯気でふやけてしまいます。湯気をしっかりと吸い取ってくれる木のお櫃は格段にごはんの仕上がりをよくするのです。
真崎庸『ご飯の炊き方を変えると人生がかわる』(晶文社 、2019)より
お櫃に炊きたてのご飯を入れると余分な水分が吸収されて、旨みと甘みが引き出されます。
お櫃はご飯を保存するだけでなく、美味しくする道具でもあります。
ご飯の水分が保たれるので、お櫃で保存したご飯は冷めても美味しく食べられます。
材質はさわら
2合用のお櫃を購入しました。
サイズは径18cm、高さ12.5cm。
材質は「木曽椹(さわら)」。
選ぶポイントはいくつかあります。まずは材質。必ずさわらという目次を使ったのものにしてください。さわらはひのきの仲間なのですが、ひのきに比べて木の臭いが少ないのです。
真崎庸『ご飯の炊き方を変えると人生がかわる』(晶文社 、2019)より
「さわら」はお櫃の素材として古くから好まれてきました。
特徴はヒノキと比べて香りが強くないこと。
さらに水に強く、軽いのでお櫃の素材として最適な木材です。
使い方
あく抜き
最初に使うときは「あく抜き」をします。
木の香りがご飯に移らなくなります。
米の研ぎ汁でお櫃を満たす
3時間経過したら、研ぎ汁を捨てて水洗いする
風通しの良い日陰でお櫃を乾かす
内側を湿らせる
使う前にお櫃の内側をよく絞った布巾で拭いておきます。
お櫃を湿らせておくと、ご飯がベタつかないのでお手入れが簡単。
またご飯の匂いがお櫃に移るのを防ぐ効果もあります。
ご飯のもり方
鍋底の硬いご飯が下になるように盛ってください。
硬いご飯が蒸らされて硬さが均一になります。
鍋底の硬いご飯がお櫃の下になるように盛ってください。硬いごはんが全部うまってしまうようにするのです。そうしますと、蒸らされて硬いところがある程度やわらかくなりますので、違和感なくおいしく食べられるようになるのです。
真崎庸『ご飯の炊き方を変えると人生がかわる』(晶文社 、2019)より
布巾をはさむ
ご飯を移したら、布巾をはさんでフタをします。
蒸気を吸ってくれるので、余分な水分が吸収されてご飯の旨みが引き出されます。
布巾をはさまないと、フタの内側に水滴がたまってご飯がベチャつくので注意。
お手入れ
お手入れは簡単です。
木目にそってたわしで水洗い
洗剤は塩か磨き砂、または粉末クレンザー
洗った後は水を拭き取り、風通しの良い日陰で乾燥
フタを開けて、湿気の少ないところに保管
合成洗剤は使えません。
フタを閉じて保管すると、木ヤニがにじみ出てきます。
木ヤニはサワラに含まれる樹脂が表面ににじみ出たものなので人体には無害。
消毒用アルコール(エタノール)で拭き取れば大丈夫。
長期間使わない場合は、綿布に包んで湿気のないところにしまのがオススメです。
柾式炊飯術でご飯を炊きはじめてお櫃とめぐりあいました。
お櫃は余分な水分を吸収して、ご飯の旨みと甘みを引き出してくれます。
お櫃で保存したご飯は冷めても美味しく食べられます。
思っていたより手入れは簡単。
炊きたてのご飯をお櫃に移すひと手間が、ご飯を美味しく食べる秘訣です。
「おひつ」で美味しいご飯を召し上がってください。