檀一雄『檀流クッキング』(中央公論新社、2013年)で見つけた「納豆汁」を紹介します。
今頃日本の山の中は、ナメコの盛りだろう。あのヌルヌルと口にねばるキノコの粒々の大きさ加減・・・・・・、口ざわり・・・・・・。まったく、ナメコほど、日本の風土をしみじみと思い出させる食べ物は無い。
檀一雄『檀流クッキング』(中央公論新社、2013年)P159 より引用
何はなくとも、ナメコ汁さえあれば、仕合わせみたいなものである。
そのナメコを、私は納豆汁のドロドロの中ですするのが格別に好きだ。
身体が芯から温まる味噌汁、秋から冬にかけてオススメの一品です。ナメコと納豆を煮すぎないことが肝心です。
材料
ナメコと納豆、豆腐、ねぎを準備します。
ナメコ
ザルにあけて流水で洗ってヌメリをとっておきます。
ヌメリの中にある旨みがなくなるので洗いすぎないように注意してください。
納豆
納豆なら何でも大丈夫
すり鉢で納豆をすりあわせておきます。
納豆がぬめってきました。
豆腐
絹ごし豆腐を準備しました。
豆腐は2cm角に切っておきます。
味噌
田舎味噌を使用
1カップの水に大さじ1杯の味噌を溶きます。
ダシ
北海道ケンソ社の根昆布だし
御徒町の吉池で購入しました。
ねぎ
万能ネギを小口切りにします。
調理方法
- 鍋に水とダシを入れて煮立ったら豆腐を入れる
- 中火にして再び煮立つ寸前にナメコを加える
- 続いてすり鉢ですりあわせた納豆を入れる
- すぐに火を止めて味噌を煮汁で溶きのばす
ネギを散らして完成、ナメコと納豆を煮すぎないことが肝心です。
ナメコも煮過ぎたらまずいし、納豆汁も煮えてしまったら、ただの呉汁になってしまうから、ナメコの納豆汁は、煮立った・・・・・・、食べた・・・・・・、でなくてはならない。
檀一雄『檀流クッキング』(中央公論新社、2013年)P159 より引用
開髪を入れるスキを与えたら、納豆も、ナメコも、駄目になってしまうわけだ。
身体が芯から温まりました。納豆を多めに入れてドロドロにして召し上がってください。
『檀流クッキング』は1970年の出版、50年たった現在も文庫本が発行され続けています。さすがに小説家が書いた料理本、どの料理も美味しそうで作ってみたくなります。
料理方法だけでなく、料理や食材にまつわる話が面白いので料理をしない方にもオススメ、ぜひ読んでみてください。