フリーターになって、初めての確定申告をしました。
国税庁のホームページにある「確定申告書等作成コーナ」を利用した確定申告書の作成方法を紹介しまています。
フリーターの確定申告に悩んでいる方は、ぜひご覧になってください。
確定申告で大切なことは「書類の準備」でした。
所得控除に必要な書類と源泉徴収票をそろえておけば、国税庁のウエブサイトに数字を入力するだけで税額の計算と書類作成は完了します。
今回はフリーターの確定申告に必要な書類と所得控除を説明します。
確定申告に貼付する書類
1年間の収入から所得控除を引いた金額に税率をかけて所得税額は決まります。
確定申告では収入と所得控除を証明する書類を貼付する必要があります。
収入
収入は給与の他に退職金を受け取りました。
給与
「給与所得の源泉徴収票」が必要です。年末か年史に勤務先が発行します。
退職金
退職金は会社と保険会社から受け取りました。
会社からは「退職所得の源泉徴収票」、保険会社からは「確定給付企業年金 お支払い通知書」。
どちらも退職金が振り込まれた直後に自宅へ届きました。
受け取った退職金からは所得税と住民税が引かれていました。このため、私は退職金の申告はしませんでした。 「退職金と税」国税庁
こちらのサイトでは退職金の税額を確認できます。「退職金にかかる所得税と住民税を計算します」
所得控除
条件を満たしていれば経費として収入から差し引ける金額です。
私は次の所得控除を手続きしました。
医療費控除
社会保険料控除
生命保険料控除
寄附金控除
医療費控除
医療費や介護費用、通院費用等が含まれます。
合計金額が10万円を超えると、10万円を超えた分が収入から差し引けます。生計を共にしていれば、家族の医療費も対象です。
「医療費控除に関する明細書」を提出します。平成29年度の改正で、提出書類が領収書から「医療費控除に関する明細書」に変わりました。ただし2019年分までは領収書の添付でも可能です。
領収書は確定申告後5年間は保存しておいてください。
明細書の作成
国税庁が提供する医療費集計フォームに、領収書のデータを入力すれば明細書は完成します。
国税庁のウエブサイトの「確定申告書類等作成コーナー」にエクセルの集計フォームが準備されています。
ダウンロードして必要な項目を入力すると、医療費は自動的に計算されていました。
社会保険料控除
国民年金
国民年金の保険料は全額が、社会保険料控除として収入から差し引けます。
「国民年金保険料控除証明書」が10月に自宅へ送られてきました。
会社を辞めると第1号被保険者になります。退職した翌月から、私は自分と家内の二人分の保険料を毎月払い始めました。
一緒に暮らしている家族の分を支払うと、支払った人の所得控除になります。二人分の保険料が私の国民年金に関する所得控除額になりました。
国民年金基金
日本の年金制度は2階建てになっています。1階部分は全ての人が加入する国民年金。
2階建部分としてサラリーマンは厚生年金に自動的に加入します。
フリーターには国民年金基金という制度がありますが、サラリーマンと異なり自分で加入しなければなりません。
加入しないと受け取る年金額が少なくなってしまいます。
フリーターになった時に、私は家内とともに国民年金基金に加入しました。
国民年金基金は月額68,000円の範囲内で各自が年金プランを組み立てます。
「社会保険料控除証明書」は11月に自宅へ送付されました。
国民年金基金も私が家内の分を支払っているので、二人分の保険料が私の所得控除になりました。
個人型確定拠出年金(iDeCo)
iDeCoは国民年金基金と同じ公的年金の2階建部分に相当します。支払った掛け金は全額を所得控除できます。
国民年金基金の上限は月額68,000円です。このうち国民年金基金で使い切れなかった残額を、私はiDeCoへ拠出しました。
「小規模企業共済等掛金振込証明書、確定拠出年金(個人型年金)」が、10月に自宅へ送られてきました。
健康保険(任意継続)
健康保険は納めた保険料全額が社会保険料控除の対象になります。
退職後、私は任意継続に加入しました。
フリーターの加入する健康保険は、本来国民健康保険ですが、サラリーマンだった人は退職後2年間に限り任意継続を利用できます。
任意継続には2つの長所があります。
● 家族の人数が増えても保険料は変わらない。
● 標準報酬月額が28万円を越えても保険料は高くならない。
国民健康保険は家族の人数で保険料を計算するので、家族が多いと保険料が高くなってしまいます。
お得な制度なので、サラリーマンを辞めた時は任意継続に加入することを検討してください。
「納付書及び領収書」を申告時に提出します。この書類は保険料を支払った時に受け取りました。
他の社会保険料と異なり控除証明書があとから発行されないので大切に保管してください。
生命保険
5万円を上限として、支払った生命保険料の一定額が所得控除の対象になります。
確定申書には「生命保険料控除証明書」を貼付します。10月に自宅へ送られてきました。
寄附金控除
国や地方公共団体、特定公益増進法人などへの寄付は所得控除の対象です。
認定NPO法人や公益社団法人等への寄付金の一部は税額控除を選択できます。税額控除は所得税額から直接差し引かれるので、減税効果が大きくなります。
私は「ふるさと納税」と「卒業した学校」「応援する認定NPO法人」へ寄付をしました。
ふるさと納税
(ふるさと納税額ー2,000円)× 所得税率が所得税額から控除されます。
「寄附金受領証明書」を確定申告書に添付します。
NPO法人、学校法人への寄付
所得控除または税額控除のいずれかを選べます。お得なのは税額控除です。
認定NPO法人からは「寄附金の受領書」が送付されます。寄付金額と「寄附金が認定NPO法人の行う特定非営利活動に係る事業に関連する旨を証明する」と書かれていることを確認してください。
学校法人への寄付は「税額控除に係る証明書」が届いていれば税額控除、「特定公益増進法人証明書」を提出する場合は所得控除になります。
フリーター1年生が経験した初めての確定申告をお伝えしました。
初めて確定申告で感じたことは、書類の準備の重要性でした。
収入を証明する源泉徴収票だけでなく、所得控除に必要な書類をそろえておくと、国税庁のウエブサイトに数字を入力するだけで税額の計算と書類作成は完了します。
「書類の準備が重要」
必要な書類を早く集めて、確定申告の準備を始めてください。