野球カードに刻まれた母との思い出、Joe Posnanski『THE BASEBALL 100』#2

背番号42のユニホームを着た野球選手が、笑いながらバットを構える姿を描いた野球カードのイラストです。

Joe Posnanski『THE BASEBALL 100』という本をご存知でしょうか。
アメリカの著名な野球ライターであるジョー・ポズナンスキー(Joe Posnanski, 1967 – )が独自の視点で選んだ野球史上偉大な100人の選手をリストアップした880ページにおよぶ大作です。

現代的な統計データと選手の物語を組み合わせながら、ボズナンスキーは野球の過去、現在、そして未来を描き出しています。野球を愛する人であれば、だれもが楽しめる一冊です。

Joe Posnanski『THE BASEBALL 100』

残念ながら日本語版が出版されていないので、この本の「Introduction」を紹介します。ポズナンスキーはこの本の中で、野球史上最も偉大な100人の選手を独自の視点でリストアップしました。メジャーリーグだけでなくニグロリーグや日本のプロ野球選手も登場します。

母との思い出

はじめに、ポズナンスキーは彼自身の野球との出会いについて語ります。彼の野球への愛情は、母との特別な時間から始まりました。
彼の母親は野球に全く興味がなかったのですが、整理好きがこうじて息子の野球カードコレクションの整理を手伝うことになりました。なんとも微笑ましいエピソードです。
トップスの野球カードをカードを番号順、アルファベット順、チーム別、ポジション別に丁寧に整理してくれる母の姿を見ながら、ポズナンスキーの野球に対する情熱は育まれていきます。

野球カードコレクション

この時期のポズナンスキーは、昼は父とキャッチボール、夜は母と一緒に野球カードを整理する時間を楽しんでいました。二人はシクスト・レスカーノ(Sixto Joaquin Lezcano Curras , 1953 – )のカードは何枚も手に入るのに、ブーグ・パウエル(John Wesley “boog” Powell, 1941 – )のカードは一枚も見つからないという奇妙な体験をします。ブーグ・パウエルはキャリアを通じて339本の本塁打を打つほどの素晴らしい選手でしたが、この本にランクインしていません。

ランキング

ランキングについては、もちろん議論の余地があるでしょう。『THE BASEBALL 100』は、選手たちを単に数字でランク付けするのではなく、その選手にふさわしい番号を割り当てるという独自のアプローチがとっています。

例えば、ジョー・ディマジオ(Joseph Paul DiMaggio, 1914 – 1999)のランクは「56」、これは彼の伝説的な連続試合安打記録である「56試合」に由来します。このように、ポズナンスキーは選手の物語と統計データを組み合わせながら野球の魅力を伝えてくれます。

読者へのメッセージ

「100人の選手をリストアップして、これが野球史上で最高の100人の選手ですと世界に発表するのは、かなりの度胸、母が言うところの Chutzpah(厚かましさ)が必要でした」とボズナンスキーは語っています。自分の野球記事が初めて地元新聞に掲載された時、母と共有した野球に関する別の出来事を思い出しながら「私は何者なのでしょう?皆さんに、この本を楽しんでもらうことを願っています」と彼は最後を結んでいます。

まとめ

ジョー・ポズナンスキーの『THE BASEBALL 100』は、野球と選手たちの偉大な記録を通じて、読者に野球の奥深さと魅力を伝えてくれます。特に、大谷選手を通じて最近メジャーリーグに興味を持ち始めた人たちにとって、この本は新たな視点と知識を提供してくれる貴重な一冊となるはずです。『THE BASEBALL 100』を手に取り、野球の素晴らしさをぜひ味わってください。

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